高校生の皆さんへ


  英語の学習の仕方について、たくさんの本が出ているけれど、僕のこれまでの体験から言うと間違ってはいないけれど「うーん、どうなんだろう」という今風に言えば違和感が抜けないんだ。
 英語の学習に必要なものはまず「単語力」なんだけど、初期においては「機械的丸暗記」しか方法がない。とはいえ何も分からないままに暗記しようとしても実に効率が悪いわけだね。でも単語力がないと文法事項を覚えるにも効率が悪いし、まして長文を読むなんて「苦行」以外の何ものでもなくなってしまい「英語に慣れる」どころの話ではないわけだね


 じゃ、どうするかっていうと「プライド」というより「見栄」を捨てて中学の復習をしてみるのが一番早い。新研究とか整理と対策とかの高校入試に使ったものをもう一度手早く復習してみて90%以上できれば問題ないけれど、80%以下だったらもう一度やってみよう。70%を切るようだったら少し真剣に取り組んでみよう。単語に漏れはないか、文法事項はきちんと覚えているかなどだ。例えば動詞の規則変化のさせ方なんかも馬鹿にしないできちんと覚えておこうね。


 これが身に付くと、読むだけだったら文法事項はだいたい大丈夫と思っていいよ。


 ただ、まだ「違和感」はあると思う「目的語」って何だろう「補語」って何だろう?「目的格補語」ってなに?と聞いたことはあるけれどよく分からない用語が並ぶ。授業では先生が「このセンテンスのここが目的語になっているから、これはこういう意味になるんだよ」とか言って解説してくれるから分かったような気になるんだけれど、授業が終わるとほとんど分からなくなっている状態の自分に気づいて英語がいやになったりするんだね。

 これを解決するにはやっぱり文法なんだけれど、全部やらなくても大丈夫。簡単な問題集の「文型」の5文型の問題にたくさん当たってみると良い。

 

 もちろん用語を先に覚えておくんだよ。Sは主語、Vは述語動詞、IOは間接目的語、DOは直接目的語、Cは補語、OCは目的格補語、Mは修飾語です。

 意味はわからなくても良いんだ。慣れると後からついてくる。最初からわかるのなら勉強しなくても良いのだからね。

 

 他に覚えておくことで大切なのは句と節の区別、形容詞と副詞の区別かな。句はいくつかの単語がグループになっているもので熟語になっているものもないものもあります。節は主語と述語動詞を含むもの。

 形容詞は名詞を修飾するもの、副詞は動詞を修飾するものとして、ここでは単純に覚えましょう。

 

 さて、単語の話に戻ろう。単語の覚え方も、よく言われるのは文脈の中で覚えること、かな。

 でも、それは先にも書いたけれどある程度英語力のある人に言えること。最低限3000語レベル程度は「機械的に強引に」詰め込んでください。

 

 覚え方は経験から言えば3回3セットの原則、つまり計9回です。それでも英語慣れしていなかったりすると忘れるモノの方が多いから覚えるまで頑張ってみる。中三とか高校一、二年のうちにやっておくと後が楽なことはたくさんの生徒で証明済みです。

 6月か7月に部活動を終えてからでは遅すぎるだろうね。でも、そういう人が多そうだから、とにかく朝から晩まででも単語の暗記を頑張ってみませう。

 

 無機質、機械的、丸暗記は良くない、理解してから覚えなさい、と巷ではよく言われることだけれど、初めて習うことなんか理解できるわけがないじゃないか。「覚えりゃわかる」が僕の持論です。

 

 単語も同じ。文脈の中で「こういう風に使うのか」と理解できるほどなら英文をどんどん読んで覚えればいいけれど、誰もがそんなに英語好きでもないし、英語だけに時間を割けるわけでもない。

 

 もちろん「英語の勉強なんかしたことがない」といいながらトーイック850点以上を簡単に取る人もいる。その人にとっては英語が趣味だから英字新聞読んだりするのは普通のことなので、勉強しているという意識はない。だまされないように。

 

 普通はそういうことはない。英字新聞など読みたくもなし、時間もなし。

 

 いずれにしても単語力は出来るだけ早く身につけましょう。3000語レベルを超えれば、高校英語ならいきなり視界が広がり明るくなって、単語の山のような壁に押しつぶされる感覚はなくなります